映画「クロガラス1」 ネタバレ感想
エンディングクレジットのてっぺんに推しの名前がある事実。
主演ばかりが能じゃないけど、でもそういう時がついに訪れた事実はやっぱり嬉しい。
推しの映画初主演作がこれまで彼が演じてきた作風とここまで真反対というのも、ここが彼の新たな転換点という感じがして嬉しい抜擢だった。
クロガラス1公開おめでとうございます。推しを推し始めてまだ日が浅いけど、ディキータの1年くらい前頃のインタビューで度々銀幕デビューしたいと語っていたことが、着実に叶っていてめちゃくちゃ嬉しい。(一般公開時期的には銀幕デビュー作が主演てことでいいのかな)
有言実行、言霊にして努力なさる推し本当に格好良い。
バーイベで告知解禁されて、初主演で主題歌も担当してその作詞も…って一気に押し寄せた情報過多の中、一体何が起きてんだ?って会場で動揺しつつも公開劇場を冷静にチェックしてたあの日からまじで長かった。
公開までの約4か月の間、公開が近づくにつれ各媒体で色々インタビューも載って、中でもSTER EDGEで掲載された撮影レポートがキメキメダークスーツのアクションシーンだったので自然と期待が高まってた。
東京アンダーグラウンド系作品と表現されても、設定次第でどうとでも変わってしまうわけで、小出しされる内容で想像の付く範疇なのか、そうでないのか…断片の映像を繋いでいくと大筋の想像はついてたんだけど、その想像なんかよりもっと見やすくてエンターテイメントで、一度賽が投げられた後はもうジェットコースターみたいに息つく暇なく終着点目指して一気に突き進んでいった感じが映画としてすごくよかった。しかも、それらすべてが推し演じる黒斗の掌の上で起きたことというのが素晴らしい。
結論から言うと、期待は見事に「おもしろかった」に置換されていた。
イントロダクションは公式サイトに任せるとして、推しが演じる主人公・黒斗の設定は、新宿を舞台に起こるアングラ世界のトラブルを、金さえ払えば何でも解決してくれる「解決屋」の社長というものだ。
ダークスーツに身を包んだ推しが社長って呼ばれとる事実。最高か。
推しが歌舞伎町を肩で風切って歩いとる事実。最高か…。
推しが覆面代わりの変形カラスマスクつけとる事実。最高か…!
最高のビジュアルで殴り倒されて語彙を失っているところへ、クライマックスで追い打ちのように「こいつやべぇ」と敵に言わしめるだけのハードなアクションが待っていた。こいつやべぇ、っていうのが画面から伝わってくる圧倒的強者感漂うアクション、立ち居振る舞い、その冷ややかな視線。最高すぎた。
好んで刑事ものを観て育ってきた身なので、「強い」アクションがちゃんと成立していないとたぶん興醒めしてただろうけど、クロガラスのアクションは非常に私の好みと合致していた。
欲を言えばあと30秒くらい追加してもらいたかったところだけど、たぶん相手側の人数の問題とか、いろいろと外因な気もするのでそこはしょうがない。
2がどうなるか判らんけど、いつか50人くらいと対峙して、積み上げた後にさすがに多少黒斗にもダメージが残ってて、顔とかちょいちょい血で汚れてる、みたいなのも観たいので続編宜しくお願いします。
サブミッション系が得意みたいだけど、拳についた血はその辺に倒れ伏した敵の適当なとこで拭ってほしい。
公開時間増やしてくれたらリピするんだけどな…あの時間帯で公開1週間はさすがに複数行くのきついよ。3,4に繋げる手立てが円盤購入しか思いつかないの辛いよね…追いブロしたらいい?
個人的に一番キた台詞がツケ残して飛んだ女の子ちゃんに向かって言い放った「(金が用意できないならお前を)ダルマにして売り飛ばす」だったんだけど、それこそこれまでとは真逆の役だからこそ出てきた台詞なわけで、劇場でひとり悶絶していた。いやー!非人道!鬼畜台詞!推しの口からそんな言葉を聞ける日が来るなんてね!たまらん。
女の子ちゃん、金策出来ないなら内臓系かなぁと思ってたけどそっちか…そっちねぇ…ところで個人的には前途ある10代のファンにはあんまりお見せしたくない感じの作風ではある。まあリビングでは流せない話ではあるよね。
でもそういう作品から、めちゃくちゃ優しい作品まで出ようとして、実際出てくれる推しの貪欲さが最高に素晴らしいと思う。
女の子ちゃん自身は今回の依頼内容だと金銭回収対象だったので、連れ戻した後どう徴収すんのかなぁと思ってたんだけど、こういうきっつい一言が飛び出したところがほんとにアツかった。
それも全部真相を暴いて、真の目的を果たすための策略のためで、とことん追い詰めるためだけの台詞とチェーンソーの演出だったわけだけど、そんなシーンを見せられてる最中であっても、どっかしらで黒斗が極悪と思えないのはそのシーンに至るまでの間で、解決屋メンバーの慕いっぷりがあるからかなぁと思った。
解決するためには何だってやるし実際人遣い荒いように見えるんだけど、危ない目には遭わせてない。というか出来ないことをさせてないっていうかんじ?
真相掴むために黒斗が一番動いてたような気がするし。路地裏で歌舞伎町の主みたいなおっちゃんと話すシーン、壁に凭れる姿が大層サマになってて、いいなぁと思った。おっちゃんに缶コーヒー渡すとことかもね、いいよね…
細かい所作に人柄が現れるというか、そういう部分に重きを置いた演技が推しの魅力だと思う。
で、解決屋の稼業とか、関係性とかをすごくすんなり受け入れられたのが自分でも不思議で、何故だろう…って思ってたんだけど、これわりと銀魂の構図だからだ。3人体制は古典的な構図だけど、関係性・職業・縄張りがめちゃくちゃ万事屋のそれっぽい。
だからダメ、とか言いたいんじゃなくて、クロガラスにはクロガラスのセオリーというか、そういうものがあって、だから共通点として入りやすかった理由に気づいたというか。
黒斗はひとつもニコリともしないし、仲間にも想定している筋書きを語るシーンなんてないから、観客にとってみたら終始「黒斗の持つ信念って何?」なんだけど、物語が進むにつれ、絡んだ人たちそれぞれに解決への糸口を用意してってるとこに人間味があって、だからラストで黒斗の過去が判ってなんだか納得してしまった。
黒斗の正体にやっぱりなー、という感想を持つかもしれないけど(私としてはそう来たか!だった)そこに帰結してくれて初めて、クロガラス1の全編を通して感じてた黒斗に対する違和感の正体が判るので、納得の気持ちの方が大きかった。
黒斗と悠哉と日菜、彼らにどんな過去があったのか。解決屋結成編だけはどうか作ってください、今後。そんな気にならせるだけならせて放り投げるとかな…無慈悲すぎるから…
#崎山つばさ
#クロガラス
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